SUMMERY

目をつぶらない

滑らかに生きたい。明晰に生きたい。方途を探っています。

教育

前の職場を退職して四ヶ月、囲碁について考えたり書いたりし続けた理由:プロ棋士の自己形成・もう一人の自分

あっという間の四ヶ月間 六月になった。前の仕事を辞めたのが一月の終わりだったのであっという間に四ヶ月。最初の職場で新入社員をしていた頃は入社後四ヶ月がなかなか長かったような気もしたけれど、今回はあっという間だった。 現実からそれほど外さずに…

ある人を知りたいと思う時何を欲しているのか

またまた雑記。 ところでここに貼った写真は香港の写真なのだけど、今香港は大変なことになっている。多少北京政府の支配が強まったところで一般市民に影響ないだろうけど、今香港の未来のために戦っている学生たちが今後デモに参加したことを後ろ暗い過去と…

スポーツ・囲碁の快楽について【雑記】

とても大きなタイトルを掲げたのですが、「雑記」とある通り思考の垂れ流しです。 スポーツについて考えたのは、囲碁から回り回って。なぜ人は囲碁を打つんだろう、と問うてみた時に、囲碁はボードゲームであり、遊戯であるので、その意味ではなぜスポーツを…

囲碁について半年間調べる中で考えたこと(2) 仲邑菫さん、上野梨紗さん、福岡航太朗さんら年少プロ三氏の入段に着目して

あまりに長くなったので二つにわけました。前回の記事からの続き。 summery.hatenablog.com ちなみに本記事では年少プロのアイデンティティ問題について論じていますが、その関心は『ヒカルの碁』を読んだ時から共通しています。 summery.hatenablog.com 囲…

囲碁について半年間調べる中で考えたこと(1) 仲邑菫さん、上野梨紗さん、福岡航太朗さんら年少プロ三氏の入段に着目して

囲碁にはまっています 半分近況報告なのですが、囲碁にはまっています。 12月からなので、まだやっと半年のにわかもにわかだし、囲碁にはまっていると言ってもゲームとしての囲碁自体というよりはプロ棋士の生態系や囲碁という興行の運用ならびにそれらを含…

さても哀しき教育の欲望

長い期間本気で求め、行動を積み重ねていると大体のものは手に入るような気がする。そもそも、長く本気で求め続けられるものというのは、手に入りうるものだから。最初は全く手に届かないところにあるかもしれないが、行動を起こすと少し近くなる、その時点…

雑記:学校現場におけるマネジメントスキルの育成はどうすればいいのか

さてさて、雑記に行くが、なんでしょうね、最近疲れることが増えて来てしまって、授業準備と授業の繰り返しだけやっていれば楽なものを現実にはそうはいかないのが辛いところね。担任業務、はまだ生徒相手だから楽だが、保護者対応に行事・部活関係は本当に…

先輩教員の転職と教員に求められる「専門性」について

良いことなのか悪いことなのかわからないが、筆が進むのは大抵自分の中に違和感が渦巻いている時である。もちろん、自分の力で変えることができたり、にぎりつぶすことができる程度の違和感であれば、わざわざ筆をとることもない。自分の力で容易に変えるこ…

私を教育した人の複数

小学校の頃から現在に至るまで、都度都度私は教育されてきたのだが、同じ人に長い期間教育されたことは数えるほどしかなかった。例えば小学生時代。私の小学校では2年に一度クラス替えがあり、担任の先生が交代するタイミングは基本的にクラス替えに合わせて…

「お勉強」と仕事の間

学校からの帰り道 学校の先生になった理由? 以前「学校の先生という選択肢を捨てた理由」という題の記事を書いた。 summery.hatenablog.com summery.hatenablog.com その手前恐縮なのだが、私は現在都内で高校の教員をしている。国語科である。現代文専門だ…

学校の物語を語る欲望:「東大合格者数高校ランキング」に思う

ツイッターを見ていたら、東大合格者に言及するつぶやきがあったので、高校時代たまに見ていた「高校ランキング」スレッドを少し読んだ。 2018年 東大合格者数 高校ランキング Part20 www.inter-edu.com 懐かしい。当時の熱気そのままである。いや、むしろ加…

「やりがい搾取」の弊害

今日は顧問をしている部活動の練習試合があったので、1日学校にいた。 いくら仕事場である学校にいるとはいえ、部活動のための休日出勤である。だから、本来は自分の好きなことをしていていいのだ。実際に同じように休日出勤をしている同僚たちは思い思いの…

16歳の雌猫

このブログで、死んでしまった猫ではない方の猫を「14歳の雌猫」と何度か書いたのだが、それは村上春樹に影響されてなんとなく自分の頭を占めるようになった概念(たしか村上春樹が「14歳の雌猫」について語っていたのを、どこかで読んだ覚えがある)で…

学びとは何かについて改めて考えてみる

日々努力を継続し、自己研鑽に努めている人の中に、驚くほど狭量な価値観しか有していない人がいる。なぜだろう。なぜこうなってしまうのだろう。多くのことを学んだ結果がこれなら、学ぶことにいかほどの意味があるのだろう、と絶望的な思いにかられる経験…

5文型に変わる提案が新鮮 安藤貞雄『英語の文型:文型がわかれば英語がわかる』(開拓社、2008年)

何を学ぶに際しても、学び始めは特に楽しいものではないだろうか。昨日に続け、今日もまた、英文法に関する本を読んだ。 昨日読んだ中川右也『教室英文法の謎を解く』(開拓社)という本の参考文献欄に載っていた本である。同書については以下の記事にまとめ…

疑問がするすると解消していく 中川右也『教室英文法の謎を探る』(開拓社、2010年)

うわ、読めない… 久々に英語を読もうとしたら、全く読めなくなっていた。「あーあ」と思った。 こういうときいつもなら、英語の本とその翻訳とを並べ、何日か取り組むことで英語力を取り戻していくのだが、今回もそうしようとして、どうもそのやり方に倦んで…

子供の教育を語ることを通して、自分の欲望を語ること。学習相談にのってきた。

学習相談をする中で、驚かされること 大学生活を通して塾講師や家庭教師をやってきた。成功も失敗もあった。そのような経験を話すと、少し相談に乗ってくれないか、という話を受けることがある。先日もそうだった。 子を持つ親は、「先生」ということになっ…

勉強して、お願いだから

えーと、なにがわからなかったんだろう… 長く家庭教師を続けている。家庭教師をしていて一番難しいと思うことは、生徒が何をわかっていなかったのかを把握することだ。 特に、私が教えている国語において、それは難しいと感じる。読むことも、書くことも、非…

快楽の対象としての後輩、学生

gmailの過去のフォルダをみていて、過去の自分に世話を焼いてきてくれた人々のことを数人なりと思い出した。おそらく大学生の私が可愛かったのだろう。まだ多くの可能性に開けており、言えばいったとおりにし、話もきちんと頷きながら聞く私は、面倒をみてや…

先生と生徒は友達になれるか

中高生の変化を見る楽しみ 中学・高校生を教えていると、本当に彼らが日に日に変化していることがわかる。もちろん、気をつけなければわからないのだが、少し気をつければ、そのことは明白になる。身体的な変化はもちろんのこと、考え方や語る言葉も少しずつ…

学校の先生という選択肢を捨てた理由②

(前の記事からのつづき) summery.hatenablog.com プロの先生の関心 そんなことを考え、また実行に移した矢先、たまたま母校の先生とお話しする機会があった。先生は、今どのような授業をしようとしているか、それがこれまでと比べてどのように新しい試みと…

学校の先生という選択肢を捨てた理由 ①

私は教師の方が向いているかもしれない 去年の暮れからぼちぼち、就職活動をしていた。その中で何度も浮かんできたのは、「私は教師の方が向いているかもしれない」という予感だった。 しかし、私は教職課程をあまりまじめに履修していなかった。教育実習に…