SUMMERY

目をつぶらない

滑らかに生きたい。明晰に生きたい。方途を探っています。

『ヒカルの碁』を読んで感じたこと

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 読んだ本や漫画の内容や、読んだ時に思った事を書き下すのは有益だと思ったので書きます。先日ヒカルの碁の完全版を発掘してしまい、しかもそれを読み始めてしまい、ただでさえ主観的に時間がない(実際はありあまるほどある)のに、苛立ちを募らせる事になりました。全部で5時間くらいかけて、3/4ほどを読みました。

小学生のころは面白さがよくわからなかったのですが、今読むとスリリングで非常に面白い、原作者が惹き付け方をよく分かっていると思います。気になった部分を挙げておきます。部屋の押し入れにばらばらになっていたやつを、出てきた順に読んだので、1/4は読み落としています。

・ヒカルの家庭は心配性な母親の典型のような専業主婦のお母さんが一人で切盛りしており、息子の将来の心配、義父の相手、夕食作りなど家事に忙しそうである(というか、それしかしていない)。塔矢アキラの家はもっと保守的な家庭のようで、こちらもお母さんはご飯を作ったり旦那さんについてまわったりと日常雑事に大忙しだ。二人のお母さんの様子は比較的頻繁に出てきており、また後半だと社のお父さんや和谷のお母さん(声だけ)も出現する。

 中心的に焦点化しているプロ達が皆成人前だから家庭がある程度でてくるのは当然といえば当然なのだが、それにしてもどの家も女性は家事、男は外で働く、といった非常にステレオタイプな家庭像が、恐らく意識的に描かれており、その点この漫画はよく見ると異様な感覚を与える。囲碁のプロになるような子供を輩出する家庭は保守的だということかな。本当に不思議。常に気になった。原作ほったゆみ氏自身が子供を持つ主婦であるということが何か関係しているのだろうか。

・女性のトッププロ棋士が全く現れない。低段位プロは確か出てきたのだが、総じて囲碁の世界は完全に男性優位という風に描かれている。もう少し活躍する女性を登場させることはできなかったのだろうか。これが囲碁の世界の現実なのかな。院生の花形だった奈瀬さんは結構年上の方で実力が今一歩足りずに院生を継続していくか悩む役だったし、ヒカルが院生試験を受けるときにすれ違った落第者も女の子だった。ヒカルが一番最初に二組であたった、自己卑下をする子も女の子、ヒロイン役の藤崎あかりも碁はめちゃくちゃ下手。

・そのように男女の区別は意識的に描かれているのだが、男性性と女性性が交わっているような唯一の人物として藤原佐為が挙げられる。佐為が女性らしく見えるのはルックスと敬語によっている。つまり作中男性はあまり敬語を使わないし、基本敬語を使っている男は皆女の様にも描かれる。たとえば安太善(=アンテソン)

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 この記事はメモ書き程度ですが、のちにもう少し踏み込んだ記事を書きました。よろしければどうぞ。

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 最近の囲碁界について関心がある方は以下もどうぞ。

 

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