SUMMERY

目をつぶらない

滑らかに生きたい。明晰に生きたい。方途を探っています。

2013-01-01から1年間の記事一覧

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布団から抜け出せないので、これはよくないと思った。毎日一時間を無駄にしている。睡眠は7時間とっているのだから足りないことはないはずだ。忍耐力に欠けるぼくはどうしても上手い具合に起きることができない。部屋が寒すぎるから。いつからぼくの部屋は…

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(この街の稜線は夢のようにぼんやりとしており、時折むこうに小島も見えるのだ―― 桜の木の根本の死者の唇で、米粒のようなウジが揺れ、春風に彼がやってくる。大学院生に間違われたことがあるという彼の目は、遠くを見据えるときだけ無邪気な子供の様だ。彼…

9

新しい時代が迫ったのを感じた、肌の上をすべってゆく流線型の新しい時代が、彼はそれを滑らかに知り、そして遠く果てしない砂漠から僕の方を見る、夜の空に金色の月がかかり、駱駝の群れが砂丘を滑りおちる、一頭、また一頭、吸い込まれる、彼が僕の方を観…

8

時間が出来るとその分なにか楽しもうと思うが、その方法をあまりに知らないために、遠出をし文化的活動をすればいいと思考が固まり、気づいたら美術館に来ている。しかもそこであまり真面目に美術品を見ると言うのでもなく、むしろ本を読み始めてしまうから…

7

何かに集中することが出来なくて、学校から帰ってから夕飯を食べ、ベッドにねっころがると、そのまま散漫な集中力で二時間くらいすごしてしまい、そのことへの後悔があまりに激しいので休養にならない休養となった。休養にならない休養をしてしまったことに…