SUMMERY

目をつぶらない

滑らかに生きたい。明晰に生きたい。方途を探っています。

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

35ひとりかくれんぼ

ひとりかくれんぼという都市伝説に関する記事を読んで、結局この怪談(?)にも鍵になる場面にテレビが出てくるのか、と思った。リングもテレビ、着信アリは携帯電話、その他諸々の聞こえては行けない、見えては行けないものを受信してしまったメディアにお…

34『それから』の代助の耐えられない若さ

大学に入ってから『それから』を何度も読んでいるが、私はかなり自分勝手な読み方をしており、例えば今日このエントリを書くために一応と思って調べてみるまで、主人公の代助が30歳だということを思ってもみなかった。もっとずっと若いと思っていた。椿の花…

33

明晰な思考をするということについて少し考えたけれども、それは私にとっては現実に今向き合っている状況・対象を客観視して、そこに現れてくる構造や規則を取り出し(言語化し)、把握するということなのだろうなと思った。それが出来ないのは、とどのつま…

32臆病に抗する/救いを求める

僕は臆病だと自己批判することに実質的な効力がなくなってきたように思うため、それがどのような形で自分にくっついてきてしまっているのかを考える必要が生じる。 『山月記』を待つまでもなく臆病さと自尊心は場合によっては全く表裏一体と感じられる。ここ…

31

それらの日々、浜辺から紫色で巨大に固まった雲がとどまっているのが見えた。それは凶兆そのもののように見えた。僕たちはその前でキスをしていたのだ。その雲の前に立つと、僕たちは僕たちの当為が、美しくすらある禍々しさに対して何らかの力を発揮しうる…

亡霊

「夢で僕は団地のある部屋の前にいる。その部屋のドアは開かず、開かなかった時の違和感で、そのドアはこの夢の中では当然の様に開くものだと、そのように直前までの、今このように状況を描写している僕と不連続な僕が、みなしていたのだということを知る。…