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目をつぶらない

文学を専門とする大学院生の日記です

購入すると読む気がなくなるの、本当に罪深いと思う

誰にでもあるだろう、衝動買いの経験。今日私も久々にやってしまった。 ことの発端は、新宿のブックファーストで見かけたソローキンの『青い脂』という本。 青い脂 (河出文庫) 作者: ウラジーミルソローキン,Vladimir Sorokin,望月哲男,松下隆志 出版社/メー…

久々にどっぷりと読書に浸る。 谷崎潤一郎『細雪』

久々にどっぷりと読書に浸っている。「小説の先が気になって、夢中で読みふける」という体験の只中にある。 修論執筆中は、「夢中で読みふける」ことはしなかった 思えば、修士論文執筆中にはこのようなことを経験しなかった。修論で対象にしたのが牽引力を…

物語の創作を授業で行うことについて考えたこと

昨日、以下のようなエントリが回ってきて、興味深く拝読した。私も、高校の国語の授業で小説の創作を経験したのだった。 askoma.info 当時のことを振り返ると、私は創作が好きだったので、「書いた」「書く」という意識だった。しかし一方、周囲を見回すと、…

雑記:岩盤浴に行ってきた

岩盤浴に行ってきた。3日前のことである。 家から自転車で20分くらいのところに岩盤浴場ができたのは、三年前の話だ。それから一年ほどは、私の家の近所で岩盤浴ブームが巻き起こっていたように思う。母からも「隣の家のおばさんは年間パスを購入したらしい…

5文型に変わる提案が新鮮 安藤貞雄『英語の文型:文型がわかれば英語がわかる』(開拓社、2008年)

何を学ぶに際しても、学び始めは特に楽しいものではないだろうか。昨日に続け、今日もまた、英文法に関する本を読んだ。今日読んだのは安藤貞雄『英語の文型:文型がわかれば英語がわかる』(開拓社、2008年)である。 英語の文型―文型がわかれば、英語がわ…

疑問がするすると解消していく 中川右也『教室英文法の謎を探る』(開拓社、2010年)

うわ、読めない… 久々に英語を読もうとしたら、全く読めなくなっていた。「あーあ」と思った。 こういうときいつもなら、英語の本とその翻訳とを並べ、何日か取り組むことで英語力を取り戻していくのだが、今回もそうしようとして、どうもそのやり方に倦んで…

『騎士団長殺し』を読み終わった

『騎士団長殺し』を読み終わった。異様な小説だな、と思った。過去二つの記事で述べた、漠然とした底の浅い印象。それが、筆者の意図的なものかもしれない、とラストを読んで思う。何かが解決した気がしない。あえて解決させない、という意思が読み取れる。 …

東日本大震災後と人間性 川野里子さんへのインタビュー記事における石牟礼道子『苦海浄土』

歌人の川野里子さんが、中国新聞のインタビュー「詩のゆくえ」で、石牟礼道子『苦海浄土』に関して一言よせている。その一言に強く惹きつけられた。 言わずもがなかもしれないが、『苦海浄土』とは水俣病の発生から終息までを著者石牟礼が追った一種のルポル…

子供の教育を語ることを通して、自分の欲望を語ること。学習相談にのってきた。

学習相談をする中で、驚かされること 大学生活を通して塾講師や家庭教師をやってきた。成功も失敗もあった。そのような経験を話すと、少し相談に乗ってくれないか、という話を受けることがある。先日もそうだった。 子を持つ親は、「先生」ということになっ…

『騎士団長殺し』における「メタファー」という言葉への違和感、それと雑記

どうしてもうまく寝付けず、今日は4時に起きてしまった。猫を抱いたために両手がふさがり、本を読むことができなかったので、宙を眺めていたのだが、そうしていると、これまでのこと、そしてこれからのことが渦を巻いて頭を占拠してくるようで、たまらなくな…

人が年をとるということ。その中で文学的課題を発見していくということ。黒井千次さんのインタヴューに参加してきました

先日書いた通り、飯田橋文学会の文学インタヴューに参加してきました。大変良かったです。一人の作家が、時に応じてどのように自己の文学的な課題を発見していくか。それにいかに向き合っていくか、という過程をありありとお話くださいました。 new.lib.u-to…

最初にやりたかったことってなんだろう。

今日は遅く起きた。眠い目をこすってiPhoneで新聞を一通り読んだ後、大学の図書館に行った。午前中いっぱいは黒井千次の『時間』という作品集の中の中編「時間」を読んだ。 時間 (講談社文芸文庫) 作者: 黒井千次 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1990/01 …

小学校の頃の先生とSNSでつながる

一昨日、小学校時代の教師とSNS上でつながりました。そのことが影響してか、小学校時代の先生と再び会う夢を見ました。 奇妙でない夢というものはなかなかありませんが、今日の夢もまた奇妙でした。単に奇妙というだけでなく、いろいろ考えさせられるところ…

「時間を味方につける」−−−でも、どうやって?

朝何気なく入った喫茶店にずいぶん長くいた。いくつかの本を読んだり、考えたことを書き出す、ということを時間を忘れて楽しんでいた。膨大に時間があっても、案外この種の娯楽はできない。頭が明晰で、かつ喫茶店が空いている時間帯に、喫茶店にいくことが…

物語の力の物語:村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』

ノモンハン事件の話って、本編に関係ないのでは・・・? 日本の第二次世界大戦に関わる話を、一見その戦争とは全く関わりのないように見えるフィクションに挿入することの効果について。また、それがどのような意義をもつのかについて、何故とりわけ戦争の話…

物語る力の減退?−−−『ねじまき鳥クロニクル』と『騎士団長殺し』

『騎士団長殺し』を読み始めました。 村上春樹の『騎士団長殺し』を読んでいる。購入のきっかけとなったのは、鴻巣友季子さんの以下の言。 ただ「異世界につながる穴」や「(夢の中で行われる)実体のない性交」など、過去の作品で出てきた多くのモチーフが…

飼っていた猫に批判されつづけた高校時代

泣きながら目を覚ました。死んだ猫の夢を見たのだ。彼が死んでゆく様子は随分前に書いたことがある。今読み返すと、当時の文体に小っ恥ずかしさを覚えるけれど、とりあえず貼っておく。 summery.hatenablog.com もう一度出会う 夢の中で、私の猫は死ぬ前の苦…

新年になりましたね

年が明けた。もう2017年か。月並みだが、驚きだ。 「ゆく年くる年」が作る節目 テレビは基本的に観ないが、ゆく年くる年だけは毎年観る。その理由を、これまではなんとなく厳かな気分になれてよいから、というくらいにとらえていた。 今年観ていて、その理由…

勉強して、お願いだから

えーと、なにがわからなかったんだろう… 長く家庭教師を続けている。家庭教師をしていて一番難しいと思うことは、生徒が何をわかっていなかったのかを把握することだ。 特に、私が教えている国語において、それは難しいと感じる。読むことも、書くことも、非…

ワークライフバランスって本当になんだろう。

ここ数日、ワークライフバランスについてつらつらと考えていた。今回は、自分がやっている大学の授業の手伝いを関連させながら、ワークライフバランスについて考えたことを書こうと思う。 暇すぎる仕事 大学の授業の手伝いをしている。いわゆるTAというやつ…

もうすぐ働きはじめる

もうすぐ働きはじめる。そのことに、大きな期待と若干の不安を覚えている。今回は不安の方について 同質的な集団 高校・大学・大学院と同質的な集団の中で生きてきたと思う。 「同質的な集団」という言葉で、私が意味するのは、同じような人生を送ってきた構…

『この世界の片隅に』で気になった時限爆弾シーンの着物について考えてみた

『この世界の片隅に』を観てきました。印象に残ったシーンに関して、感想を述べたいと思います。 解離するすずさん 『この世界の片隅に』について、東浩紀さんは以下のように述べています。 アニメーションの本質はなにか。それはすべて嘘だということである…

P.T.と村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』①

P.T. (ホラーゲーム) - Wikipedia 村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』を読んでいて、サイレント・ヒルの広告として作られたP.T.というゲームを思い出しました。村上春樹の作品はゲームのプロットに似ているという話を聞いたことがあったけれど、PTは特に…

缶詰になってみんなで清書

論文提出期間です。 後輩の論文の製本作業を手伝うD2の先輩を見ながらお茶を飲んでいて、ふと、50代前半のゼミの先生(日本史)に、修士論文執筆時の経験を聞いたのを思い出しました。 当時もうワープロとかもそれなりに広まっていたけれど、先生の研究室は…

「青春の墓標としての卒業論文」ね・・・。

修士論文を書いていて、表題のフレーズについて思い出した。船曳先生の言葉だ。

快楽の対象としての後輩、学生

gmailの過去のフォルダをみていて、過去の自分に世話を焼いてきてくれた人々のことを数人なりと思い出した。おそらく大学生の私が可愛かったのだろう。まだ多くの可能性に開けており、言えばいったとおりにし、話もきちんと頷きながら聞く私は、面倒をみてや…

内なる差別意識

twitterで差別をしばしば問題化し、ヘイトまがいのことを平気で述べたり、それほど自覚的でなく、だからこそたちが悪いような、無意識的な差別発言を繰り返す人々と戦うアカウントをいくつもフォローしている。本当に頭がいい人たちだ。私が全く気づくことの…

Reading and Writing

Spending a lot of time on only Reading and Writing. It is a little bit tough. Summerizing, Talking and Remenbering is also important for me. Writing includes summerizing and a kind of talking in terms of expression, but Rememberning, I nee…

Sex and Desire in Hong Kong

I read through the book named "Sex and Desire in Hong Kong"(HKU University Press). This is an anthology of papers witten by sociologists. What I am interested in especially is that sexual relationship between westerners and Hong Kongners h…

先生と生徒は友達になれるか

中高生の変化を見る楽しみ 中学・高校生を教えていると、本当に彼らが日に日に変化していることがわかる。もちろん、気をつけなければわからないのだが、少し気をつければ、そのことは明白になる。 身体的な変化はもちろんのこと、考え方や語る言葉も少しず…

学校の先生という選択肢を捨てた理由②

(前の記事からのつづき) プロの先生の関心 そんなことを考え、また実行に移した矢先、たまたま母校の先生とお話しする機会があった。先生は、今どのような授業をしようとしているか、それがこれまでと比べてどのように新しい試みとしてあるのか、困難は何…

学校の先生という選択肢を捨てた理由 ①

私は教師の方が向いているかもしれない 去年の暮れからぼちぼち、就職活動をしていた。その中で何度も浮かんできたのは、「私は教師の方が向いているかもしれない」という予感だった。 しかし、私は教職課程をあまりまじめに履修していなかった。教育実習に…

カウンセリングについて

恥ずかしい、ことではないと思うが、ご多分に漏れないことではある。その意味で、多くの人と同様の挙動をとる自分のミーハーさへの恥の感覚はある。 私は、カウンセリングに関わる本に関心を持ってきた。ここ一年ほどのことだ。とりわけ好んで消費したのは、…

ひどく疲れた

ひどく疲れたよ。私のようなコミュニケーションとは、異なるコミュニケーションの方式をとる人々が多くいる国で、一ヶ月間暮らしてきた。毎日違和感があり、身体的にも辛いタイミングがあった。けれど、なんとか乗り切りました。よくやったと思う。その中で…

働いています。

今月に入ってから、ほとんど社会人のような生活をしています。起きたらすぐにスーツに着替え、満員電車に揺られて一時間。仕事場にたどり着くと、コートを掛けて朝礼に参加します。その後はひたすらパソコンに向かって企画書を書いたり製品を作ったり。それ…

変身:『燃えあがる緑の木』

書いたことを公にするのに倦んでいた。日記はひたすらに書いていたのだが、それらは公にするにはあまりにも私的だったり、文章がおぼつかなかった。webライターと呼ばれる人々が呼吸をするようにいつもの文を紡いでいるのだったら、確かにそれは技術だと思う…

2.17

今日も何もできなかった。ちょっとさすがに参りはじめている。夜が辛い。さっさと寝てしまいたいが、なんとなく眠れなくもあるのだ。ここ最近。不規則になっている。眠れなくとも何かすることがあるわけではないからな。本が読めないのには参ったよ。どうす…

何もできない日が続く

何もできない日が続いた。本を読んでいても想像力が上滑りしてしまって、全く別のことを考えている。考えることは決まっていて、人のことを考えているのだ。人を思っている。人を思うと本が読めなくなる。次に会うまで解消されないのだろうが、そうだとした…

1.29

船曳先生は「青春の墓標としての卒業論文」を甘い考えだと書かれていたように思う。曖昧な記憶の中でフレーズから自分なりに解釈をすれば、それは以下のようなことだった。 卒論がうまく書き進められない人はどうしてそうなってしまうのか?それは、自分が大…

1.28

最近疲れやすい。午前中twitterに嫌気がさしたのでやめ、とにかく大学に行こうと電車に飛び乗りました。くっちゃべっているおばさんや大声で叫ぶ子供が多く嫌になりました。大学に到着して食堂にいったのですがなんかうるさく、図書館に行ったのですが試験期…

この間とある飲み会に出席して「いまなにしてるの?最近なんか面白い劇見たり美術館行ったりした?」と聞かれた時にあまりに何もなくて自分で驚いた。そうだ、私は大学三年生の前半までは一月に一度以上は美術館に行ったり演劇を見たりしていた。映画も結構…

飼っていた猫が死んだ

飼っていた猫が昨日の深夜、死んでしまった。 歯を全部抜く手術をして一週間弱の入院をし、やっとこさ退院してきたのが昨日の朝だった。久々に帰れたのが嬉しく、帰って来た直後は随分元気な様子だったそうだ。私は23時に帰宅したから、その話は大学の図書館…

35ひとりかくれんぼ

ひとりかくれんぼという都市伝説に関する記事を読んで、結局この怪談(?)にも鍵になる場面にテレビが出てくるのか、と思った。リングもテレビ、着信アリは携帯電話、その他諸々の聞こえては行けない、見えては行けないものを受信してしまったメディアにお…

34『それから』の代助の耐えられない若さ

大学に入ってから『それから』を何度も読んでいるが、私はかなり自分勝手な読み方をしており、例えば今日このエントリを書くために一応と思って調べてみるまで、主人公の代助が30歳だということを思ってもみなかった。もっとずっと若いと思っていた。椿の花…

33

明晰な思考をするということについて少し考えたけれども、それは私にとっては現実に今向き合っている状況・対象を客観視して、そこに現れてくる構造や規則を取り出し(言語化し)、把握するということなのだろうなと思った。それが出来ないのは、とどのつま…

32臆病に抗する/救いを求める

僕は臆病だと自己批判することに実質的な効力がなくなってきたように思うため、それがどのような形で自分にくっついてきてしまっているのかを考える必要が生じる。 『山月記』を待つまでもなく臆病さと自尊心は場合によっては全く表裏一体と感じられる。ここ…

31

それらの日々、浜辺から紫色で巨大に固まった雲がとどまっているのが見えた。それは凶兆そのもののように見えた。僕たちはその前でキスをしていたのだ。その雲の前に立つと、僕たちは僕たちの当為が、美しくすらある禍々しさに対して何らかの力を発揮しうる…

亡霊

「夢で僕は団地のある部屋の前にいる。その部屋のドアは開かず、開かなかった時の違和感で、そのドアはこの夢の中では当然の様に開くものだと、そのように直前までの、今このように状況を描写している僕と不連続な僕が、みなしていたのだということを知る。…

30

ウミガメセンターを訪問した日は大雨だった。熱帯の島に降る雨を見て僕は嬉しくなったものだ。遠くにガジュマルの木が横に一列になっているのを見る。それらは神秘的な壁のように立っているから、僕はそれより先にある、小さな山を見通す事が出来ない。 この…

29

一心不乱に穴を掘っては堀崩した砂のなかに空く、更に深みへと続く穴を見つける、それはいとも簡単に埋まってしまうから、途中から僕は手近な木の棒でそれを刺し、目印にしてから周囲を掘り崩していった。そうすると、常に次にどこを掘ればいいのかわかるか…