SUMMERY

目をつぶらない

滑らかに生きたい。明晰に生きたい。方途を探っています。

2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

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相手がこちらに配慮しようという努力をしてくれているのがわかれば、結果として気分を害されても落ち着いて考えた末に許す、という位の器量を身につけたい、相手の立場に立てればそれが出来るはずだが、実際は出来ない場面が多い、そのような場面では、私は…

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カーテンの向こうに笑っている、知らない男がいたらどうしようと考え、その怖れで目を閉じることができないまま、不器用に髪の毛を全て後頭部になで下ろす様にして、出来る限り顏にシャンプーの混じった水がかからないようにしながら頭を洗う、私の目はカー…

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唐突に始まる意識の中で、私は真っ暗な部屋に居た様に思う。そこは私の実際の部屋よりも大きくて、窓から漏れる街灯の光に多くの書類が照らされ、その白が目に痛かった。男達が歌っているのが聞こえた。この部屋が二階だとするなら地下で、三階だとするなら…

19『同時代ゲーム』-1

『ねじまき鳥クロニクル』と同時に、『同時代ゲーム』を少しずつ読み進めている。まだ大したことは考えていないので、メモ程度にする。 ○この作品を読む中で自分の中で一つ明らかになったのは、大江健三郎という作家の一つの特徴である。主人公=語り手の語…

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それで肝心のノモンハン事件にどのように本編が関わるのかという問いなのだが、それに僕は答える準備が出来ていないので、気になった点を挙げることにとどめる。 まず、語り手の間宮は既に戦争体験から何十年もの時を隔てた現代の視点から語っているから、ノ…

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村上春樹の作品は全部読みました、大好きだし、一時期色々考えました、と言う、年上の女性と、とある席で一緒になって、僕は自分が好んで読む、『ねじまき鳥クロニクル』について話を聞こうと思った。 僕はこの作品がとても好きなのだが、その理由は鼻持ちな…