SUMMERY

目をつぶらない

滑らかに生きたい。明晰に生きたい。方途を探っています。

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

私が最高のツイッターだった頃

最近ちょっと真面目な記事ばかり書いていたので、今日は私が最高のツイッターだった頃の話と、その少し後までの話をします。 ツイッターって知ってる? 私がツイッターを始めたのは、大学一年生の6月ごろです。駒場の食堂で、浪人した私よりも一年先に入学し…

学校の物語を語る欲望:「東大合格者数高校ランキング」に思う

ツイッターを見ていたら、東大合格者に言及するつぶやきがあったので、高校時代たまに見ていた「高校ランキング」スレッドを少し読んだ。 2018年 東大合格者数 高校ランキング Part20 www.inter-edu.com 懐かしい。当時の熱気そのままである。いや、むしろ加…

余白から生まれる透明な寂しさがいい 市川春子『宝石の国』

大学一年生の時、シラバスでふと見つけた船曳ゼミに未だに参加しています。その読書会で市川春子『宝石の国』を読んだので、今日はその感想を書いていこうと思います。 宝石の国(1) (アフタヌーンコミックス) 作者: 市川春子 出版社/メーカー: 講談社 発…

こち亀はどこで間違ったのか

こち亀の「くそ」化 別にアンチを助長するわけでは決してないのだが、数年前以下に紹介されているスレを見つけて、スレタイトルから驚かされたのを思い出す。 iwacchi.tumblr.com このスレタイトルがいかなる背景から登場するにいたったかということに関して…

ヒカルが碁に向かう姿のリアリティ:ジャンプ的成長物語の傑作『ヒカルの碁』

先週末に実家に帰って、ふと『ヒカルの碁』を読んだ。 ヒカルの碁 全23巻完結セット (ジャンプ・コミックス) 作者: 小畑健 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2010/01 メディア: コミック クリック: 6回 この商品を含むブログ (11件) を見る 主人公が成長して…

物語を読めないと死ぬ Jホラー映画の論理と『リング』

物語ることで生きる 人は生きる中で、自分の人生の物語を措定する。本当は大部分偶然が重なって、たまたま今のような自己があり、またこれからも同様に大部分偶然の作用によってこれからの生が形作られていくはずだが、それらの偶然に意味づけをすることによ…

どんな映画になるのかな。宮崎映画『君たちはどう生きるか』を『風立ちぬ』から予想する。

どうやら宮崎駿の新作映画のタイトルは、朝日新聞によれば『君たちはどう生きるか』らしい。正直かなり驚いた。この情報は朝日新聞デジタルより。 www.asahi.com 同記事にも言及があるように、このタイトルは吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』からとった…

戦後70年の年に祖父が死んだ時のこと

このブログで一番読まれているのは、勢いだけで書いた猫の死に関する記事である。 summery.hatenablog.com 飼っていた猫の死は当時僕が体験した、もっとも身近な死であった。必然的に強く印象に残った。 それから一年後の2015年、僕は母方の祖父の死を経験す…

押井守監督『スカイ・クロラ』:諦めることとともに生きる

今回は(今回も?)あまり一般読者に裨益する記事ではないのだが、好んで観るアニメ映画『スカイ・クロラ』について書く。現時点でこの作品について言及したりまともに論じているブログ記事などは少ないので、この作品に出会い、どうしようもなく気になって…